書籍データ
日本は古臭い伝統や規制に縛られて、息苦しいと訴える人がいます。
対照的にアメリカは自由の国で、アメリカンドリームが手に入る一発逆転が出来る夢の国だと言う人もいます。
本書はそんなアメリカの幻想を見事に打ち砕いてくれます。ただし、この本が出されてたのはブッシュ政権の終わる直前の2008年なので、今読むには少し情報が古い部分もあります。それでも、オバマ政権になって全ての問題は解消されているわけではなく、まだまだ山積みの状態です。
アンチブッシュ的で、大きくバイアスがかかっている部分も多いのですが、日本からは見えにくいアメリカの闇入門書と言える一冊です。
アメリカ在住の映画評論家、町山智浩氏が面白おかしくアメリカの闇をクローズアップ。進化論を否定し、マイノリティを攻撃する福音派などの過激な保守。イラク戦争問題、サブプライムローンと格差社会など、自由という名のもとで行われている理不尽な活動を紹介する。
町山さんを知ったのは、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」についての批判で、ツイッターが炎上したことがきっかけです。
その時は、毒舌な映画評論家なんだな、としか思ってなかったのですが、その後、映画ダークナイトについて解説したラジオの文字起こしを読んだことで、すっかり印象が変わってしまいました。
ダークナイトは、見たことがあったのですが、ジョーカー役が印象的な良作というぐらいの認識で、ダークナイトを撮ったクリストファー・ノーランの中では、フォロウイングやメメントの方が好きでした。
ところが、町山さんの解説で、ジョーカーに込められた深いテーマや意味を知り、非常に衝撃を受けたのでした。
以来、ラジオたまむすびに火曜日のゲストとして登場することを楽しみにしてます。
http://www.tbsradio.jp/tama954/machiyama/
アメリカ在住の町山さんは、アメリカに関する本も多く出しており、その中の一冊が「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」です。
第一次世界大戦、特に第二次世界大戦後から世界のリーダーとして、君臨しつづけているアメリカ。
世界をリードするはずのアメリカ人は、世界のことはおろか、自国のことさえろくに理解していないと、町山さんは揶揄します。
まるで中世のような非科学的な知識に基づく偏見、差別。国家権力による情報操作、圧力。
保守アメリカ人代表、アホの大統領としてお馴染みだったジョージ・W・ブッシュ時代の笑えない事実が数々紹介されています。
ブッシュからオバマに変わりましたが、オバマは外交、内政ともに苦しみ、保守層からの強い抵抗にあっています。
この本に掲載されている医療制度への対策、医療保険制度改革(いわゆるオバマケア)が始まっていますが、根強い反発でスムーズには進んでいないようです。
戦後の日本にとって、アメリカは民主主義と新しい文化をもたらした解放者でありながら、無理難題を押し付けるヤクザの親分の様な存在です。
TPPや米軍基地など、集団的自衛権の問題など、アメリカが日本に与える影響は決して小さくありません。
アメリカとは仲良くしていかなければいけないのは当然ですが、なんでもいいなりになってしまったり、日本ならではの良さを無くしてしまうことは避けたいですよね。
最後に、Wikipediaのブッシュ元大統領語録の中から一つ紹介します。
「我々の敵は革新的で資源も豊富だが、我々だってそうだ。敵は我らがアメリカとその国民に害をなす新たな方法を常に考えているが、我々だってそうだ」
“Our enemies are innovative and resourceful and so are we. They never stop thinking about new ways to harm our country and our people, and neither do we.”
ージョージ・W・ブッシュー
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