書籍データ

• ［図解］池上彰の　世界の宗教が面白いほどわかる本 (中経の文庫)
• 社会・政治
• 池上彰
• 中経出版
• 評価 ★★★★☆

おすすめポイント

特定の宗教を信じていない為、宗教が身近でない人にはおすすめの一冊です。

世界情勢は興味があるけれども、宗教が絡むと分からないという人、宗教に対してぼんやりとした知識しかないという人には特におすすめ。

ただし、あくまでも入門書なので、一つ一つの宗教について掘り下げて知りたい人には物足りないかもしれません。

世界情勢に影響を与えている主要な宗教を取り扱っていますので、カルトや新興宗教については触れらていません。

本の紹介

キリスト教、イスラム教、仏教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、そして日本の神道。世界の主要な宗教と、日本に関わりのある宗教を、成り立ちから変遷、現在の状況や影響力を、世界情勢に通じた池上彰氏ならではの視点と、図解でわかりやすく解説した一冊。

特定の宗教に肩入れすることなく、フラットな意見で解説されている。

この本を読んで思ったこと

戦争、虐殺、革命、芸術、思想、道徳などなど、長い人類の歴史の中で、宗教は良い面でも悪い面でも大きな影響を及ぼしてきました。そして、現在でも世界各地で起こっている多くの争いには、宗教が関係しています。

宗教を知ることは、世界を知ること。この本は宗教を通して、より深く世界を知る旅へと導いてくれます。

宗教には存在価値がなくなった、という人もいますが果たしてそうでしょうか？

日本では、21世紀になっても、毎年2万人を大きく超えて自殺者が出ています。戦後起こったどの災害の死傷者よりも多いという事実。

それは、科学が発展した現在でさえ、救いを求める人々は多いということかもしれません。

日本人は無宗教が多いと言われていますが、初詣や、合格祈願、厄除けで神社にお参りし、お盆には先祖の霊を敬い、結婚の際には神に誓って、クリスマスを祝い、葬式は仏式で行うという多くの宗教から生まれた慣習、風習を楽しんでいます。

アニミズムから始まった神道をベースにして、仏教、キリスト教を取り入れてきた日本人。

実は最も信仰心がある国民なのか、はたまた、宗教もエンターテイメントとの一つとして楽しむ国民なのか。

宗教について、ちょっと考えてみてはいかがでしょうか？

宗教は、長い間の知恵や思想が凝縮された良い面もありますが、弱い心の隙につけこんでくる怪しげな宗教も多く存在します。

宗教の良い面を吸収し、上手く距離感を持つことが、心の安寧を保つことかもしれませんね。

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