ホラー作家、ジャック・ケッチャムをご存知でしょうか?
容赦ない表現と内容から後味の悪いホラー小説を書くことで有名で、あのスティーブン・キングも絶賛する作家です。
彼の作品のなかでも、後味の悪さナンバーワンと評されることの多い「隣の家の少女」を読んでみました。
ちなみに、この物語は「インディアナ州における最も惨い犯罪」として知られる少女監禁殺人事件を元にしています。
あらかじめ聞きかじった前評判から、少々構えて読みはじめましたが、物語の始まりは驚くほど長閑な田舎の光景と主人公デイヴィッドと両親を交通事故で失った美しい少々メグとの出会いから幕をあけます。
物語の中盤あたりまでは、メグの様子がどこかおかしいことを匂わせながらも、デイヴィッドの甘酸っぱい少年の日の想い出という印象で進行していきますが、後半は一気に凄惨極まりない少女虐待の物語へと変貌、一気にエスカレートしていきます。
しかしその内容にも関わらず、読後感は「最悪」とまでは思えませんでした。
それは凄惨な虐待に堪えながらも、時折見せるメグの人間としての強さと、最後まで(死の直前までも!)毅然とした姿勢、途中まではなす術も無く傍観していたデイヴィッドが、さすがに見兼ねてメグを助けるために危険な隣人たちに相対する様、そして主犯格である養母ルースを残忍な虐待に向かわせた背景と心境(おそらくメグへの嫉妬)が垣間見えるからだと思います。物語は悲惨ですが、主要な登場人物たちの状況や心境が理解出来なくもないのです。
ただ、扱っている内容が内容なだけに、読むに堪えない方も多いかと思います。すべての方にオススメの本ではありません。
最後に私が本書で心にのこったメグの一言を記します。
「デイヴィッド。ありがとう。最後になにをするかーーそれが大切なのよ」
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