究極の純愛短編小説「外科室」を含む珠玉の7作品
今回紹介する電子書籍は男たちと女たちへのアンソロジーだ。
タイトル:「少女・人妻・不倫・寝取られの純愛文学」
収録作品はタイトルのとおりのテーマを扱う短篇名作が全部で7つ収録されている。
アンソロジーの良し悪しを決める要因のひとつがテーマ。本電子書籍のテーマには、興味をそそられる。というよりも恥ずかしながらやられてしまった。テーマはタイトルの通り「少女・人妻・不倫・寝取られ」
そしてテーマよりも重要なのが収録作品。「少女・人妻・不倫・寝取られ」に収録されている作品は以下の7作品。タイトルだけで胸がおどる。
「少女・人妻・不倫・寝取られの純愛文学」の特に私のハートをつかんだのは「少女病」「蒲団」と「外科室」の3作品。3作品いずれも素晴しいが、ここでは中年おやじの情念を浮き彫りにする少女病を取り上げる。
読んでいるといつの間にかオヤジになってしまった自分のことが書かれているのではないかと錯覚する程。わたしも地下鉄できれいなお嬢さんと同乗できればとてもうれしい。美しいものに引き寄せられるのは人の証。もちろん失礼のないように美への畏敬の念をこめてみる。
見ぬようなふりをして、幾度となく見る、しきりとみる。
電車や街で美しい人に目を奪われるということはよくあること。うれしい思いのあとにもう二度と恋をすることはないのかと寂しい思いもする。 著者田山花袋は見事に中年オヤジの日常のほんの一瞬を切り取る。そしてオアシスと後悔・悲哀といった感情を描き出す。
中年オヤジにしか感じられない期間限定の作品なのかもしれない。
機会があればぜひその他の作品についても触れてみたい。
なお、本作は一作品ごとであれば青空文庫でも読むことが出来るものなので、気になる作品だけ見てもよいと思う。
本書のように新しい切り口で、アンソロジーとして世に送り出す試みは、パブリックドメイン(公有)の有効活用のひとつと思う。
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